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活動成果
阪大 ― KAIST交流
○今回のシンポジウムを終えて
生命先端工学専攻 生物工学講座
助教 塚田 幸治

 今回の「阪大―KAIST学生交流シンポジウム」の発表形式は、小林教授との協議の結果2部構成とした。まず全員が3分程度のブリーフプレゼンテーションをスピーディに口頭で行い、その後ポスター発表をするという形式である。この結果、従来行われていた、口頭発表で原稿を準備し着実に研究成果をスライドで伝える経験はできなかった。しかし、ポスター発表で準備した研究内容に関する要旨を口頭(3分間)で的確に紹介することも決してやさしいことではない。また、ポスター発表では当意即妙に相手の研究を理解したうえで適切な質問を口頭(英語)で伝えることや、逆に質問者の意図を理解しこれに回答することの難しさを体験した。海外での学会発表は研究テーマの多様化からポスター発表形式が増加している。会話をする中で相手の気持ちを理解し、的確な説明を施す能力が求められるポスター発表の性質を理解できたのではないだろうか。ただ、一つ改善点を挙げるとすれば、KAISTと大阪大学双方の学生に、掲示されているポスターをみてまわって、自分と異なる専門分野であってもどんどん討論を挑む積極性が足りなかったように思う。せっかくのチャンスであり、もっと貪欲な姿勢が欲しかった。塚田としては、普段専門として研究していない分野である神経細胞同士のシナプス結合の形成過程に関する研究や、天然の新規生理活性物質探索やキシリトール生合成経路について熱心にポスターを説明している方々と討論できて楽しかった。

 生物工学という分野は非常に幅広い研究材料と技術とが駆使されるため、さまざまな専門性を有する多くの研究者との情報交換が重要であり、このような連携がときには研究目的の共有から将来大きな推進力となっていくことが期待される。学生交流をはかりながら同時に国際的なネットワークのシードとなりうるKAISTとの連携は、大切に継続していくべき財産であると認識できた。今後、この交流イベントが安定的に継続するためのサポート体制を構築し、その担当機関の設置など具体的な方策を議論・実行に移すことが重要である、と提案したい。

 最後に、大阪大学からのプレゼントとして阪大風呂敷と阪大テーブルセンターをお分けくださった馬場章夫学科長に感謝いたします。また、今回の学生交流シンポジウム参加者に対する寄付をしてくださった同窓会「尚醸会」に感謝いたします。最後に、旅費を支給して頂いた大学院GP「国際連携大学院FDネットワークプログラム」に感謝いたします。