物質生命工学コース -> 分子システム工学領域(研究内容:画像形成材料の開発と応用)
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画像形成材料の開発とその応用


 画像の表示や記録は高度情報化社会を支える重要な要素技術で、さらに高速、高解像度、高密度の表示・記録・記憶技術が要求されています。この分野で化学の果たす役割は極めて大きいといえます。光や熱による物質変換は、分子または集合体のさまざまな物理的、化学的性質を局所的に変えることができます。このような材料の開発とその物性変化を利用した新しい記録・ 表示材料の開発とそれによる新しい画像形成プロセスの開発に関する研究を行っています。

有機フォトリフラクティブ材料開発とそのトランジエントホログラムデバイスへの応用
 フォトリフラクティブポリマーとは、レーザ光の干渉パターンを屈折率のパターンとして実時間で記録することが出来る高分子材料です。これは、ホログラムの記録・再生を実時間で行えることを意味しています。つまり、レーザ光の一方に画像情報を持たせてフォトリフラクティブポリマーに記録すると、その場で読み出しが行えることから、入力画像の動きはそのまま再生画像の動きとして観察でき、実時間動画ホログラム(トランジエントホログラム)が可能となります。
 さらに、このホログラム記録は光の波面(位相)情報を記録再生する事ができます。つまり立体画像の記録再生が可能となるわけです。

 ◆トランジエントホログラムを見る(11.6M-15秒の動画ファイル付)
 ◆立体画像の記録再生を見る(5.1M-12秒の動画ファイル付)

実時間ホログラム
フォトリフラクティブ材料
によるホログラム再生像

ポリシランの光・電子物性とその応用
 ポリシランとは主鎖がケイ素連鎖で側鎖にアルキルまたはアリール基等を有する一次元直鎖高分子です。このポリシランは、通常の炭素からできている高分子と異なり、主鎖の単結合に沿ってσ(シグマ)電子が非局在化する、つまり炭素で言う二重結合に生じるπ(パイ)共役に似た状態となります。これは、σ(シグマ)共役と呼ばれ、紫外吸収、発光、光電導、光分解等にその特徴が反映されます。特に化学的特徴としては、紫外(UV)光照射により主鎖の切断を伴う分解を生じることです。そしてこの分解によりケイ素が繋がっていたところに酸素や水酸基(-OH)が入り込んだ化学構造へと変化することで、その性質が大きく変化します。この性質の変化を利用することで、様々な画像の記録・ 表示・記憶材料へと応用する事ができます。
変化する性質応用用途
電気を流す能力が無くなる・メモリー感光体
 (乾式多数枚印写プロセス)
水溶液に対する濡れ性や膨潤性が向上する・パターン着色
・無現像オフセット印刷
・マイクロレンズアレイ作製
溶媒に対する溶解性が変化する・パターン電界重合
特異な反応性を示すようになる・顔料消色(光記録材料)
・金コロイド形成(光記録材料等)
屈折率が低下する・位相記録材料
応用用途の詳細については、後日UP予定です。 現在は長山助手のページ(Research)を参考にして下さい。
カラーフィルター
パターン着色を利用した
カラーフィルター

マイクロレンズアレイ
電着法を用い作製した
マイクロレンズアレイ

電気容量制御型デジタル画像形成
 静電気を利用した印刷方法である電子写真は、コピー機に使われていると言ったことからも、身近な技術の一つです。さらに近年の情報化の流れの中で、アナログからデジタル記録へと画像技術は移り、パソコンのデータを印刷するのにはレーザープリンターが主に使われています。このレーザープリンターは、画像情報はデジタルとして取り扱っているのですが、デジタル情報信号を光に変換してアナログ感光体に2次元画像として展開して印刷物を得る方法であって、真のデジタル画像とは言えないのではないのでしょうか?つまり、静電気がたまる部分が小さな点(ピクセル)で形成されていて、その点ごとに静電気の量をコントロールできて、真のデジタル画像プリンターと言えるでしょう!
 静電気を変化させる方法に、コンデンサーの電気容量は膜厚に反比例するという高校の物理で学習した原理を利用すれば、小さな点一つ一つが独立に静電気の量をコントロールできるデジタル画像プリンターを作る事ができます。

 ◆動作原理を見る(まだできていません(;´_`;))
プリントサンプル
トナー現像したサンプル


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