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 昇華精製とはその名の通り、物質を昇華させることによって精製することです。一般的に有機溶媒に可溶な物質であれば、再結晶法や、カラムなどによって純度の高い生成物を取り出すことが出来ますが、当研究室で使用している「有機顔料」は有機溶媒に不溶なため、昇華精製することによって純度の高い生成物を得ています。右下のように、ヒーターを用いて系中に温度勾配を持たせることで、いったん昇華させた原料が、その化合物固有の昇華温度を持っていることから不純物と生成物を分離させるという方法です。さらに、ガスをフローし、温度調節を厳密に行うことによって、単結晶生成物を得ることも出来ます。
 
原料と昇華精製物
写真の右側は昇華精製を行う前の原料で、黒ずんだ粉末になっています。左側が昇華精製物で、済んだオレンジ色の化合物であることが分かります。実際にこういった有機顔料の光電物性を評価するためには、この昇華精製の作業を数回繰り返し、得られた純粋なものを用いて使用することになります。
こちらは実際にこの装置で作成された、単結晶です。作成条件を調節するのが非常に難しく、条件によっては同じ化合物でも一番左のような針状結晶が出来たり、真ん中のような板状結晶が出来たりします。一番右のような厚さも薄く、大きな結晶が理想的です。